漢方内科
当院では、西洋医学的な視点に加え、東洋医学の知恵を取り入れた漢方内科の診療に力を入れております。検査では異常が見つからないものの、不快な症状が続くといったお悩みに対しても、一人ひとりの体質や状態に合わせた処方を行うことで、健康な生活を取り戻すお手伝いを目指します。
お体の不調を感じながらも「どこに相談すればよいかわからない」と一人で悩まずに、まずは当院へお越しください。地域に根ざした医療機関として、健やかな毎日をサポートできるよう、丁寧な診察と心のこもった治療を心がけております。漢方薬はさまざまな世代の体調管理に役立つ選択肢となります。
漢方内科で診る症状
漢方内科では、西洋医学的な検査で特定の原因がはっきりと特定できない「未病(みびょう)」の状態や、体質に起因するさまざまな症状を診察します。
具体的には、以下のような症状でお困りの方が多く受診されています。
- 胃の痛み、もたれ、胸やけ、食欲不振、慢性的な下痢や便秘
- 全身の倦怠感(だるさ)、疲れが取れない、気力の低下
- 冷え性、のぼせ、ほてり、多汗(汗をかきやすい)
- 頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛
- 不眠、寝つきが悪い、不安感、イライラ
- 喉のつかえ感(梅核気など)、咳が続く
- むくみ、排尿の悩み、口の渇き
これらの症状は、日常生活の質を著しく低下させることがあります。当院では、患者さんのライフスタイルや季節の変化なども考慮し、その時の体調にふさわしい処方を検討いたします。
漢方内科で診る病気
漢方内科では、特定の疾患名がついている場合はもちろん、複数の症状が重なり合っている場合にも対応可能です。特に消化器内科を専門とする当院では、お腹の不調に関する漢方治療を得意としています。
消化器疾患
胃内視鏡検査などで炎症や潰瘍が見当たらないにもかかわらず、胃の痛みやもたれが続く「機能性ディスペプシア(FD)」や、ストレスなどで便通異常を繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」などは、漢方薬が得意とする分野の一つです。
お腹のハリや痛みを和らげる処方や、自律神経のバランスを整えて胃腸の動きを正常化させる処方など、お腹全体の調子を整える治療を提案します。
消化器の検査に関する詳細は、「胃内視鏡検査(胃カメラ)」のページや「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」のページもご参照ください。
生活習慣病・全身疾患
高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に伴う随伴症状(頭重感、肩こり、むくみなど)に対しても、漢方治療は有効な場合があります。西洋薬で数値のコントロールを行いながら、漢方薬で「体全体の調子」を底上げしていくことが期待できます。
また、近年注目されている気象変化に伴う不調(天気痛)や、疲労が蓄積した状態に対しても、補中益気湯などの気力を補う薬が健康維持に役立つことがあります。
女性特有の不調
更年期障害に伴う「ホットフラッシュ(のぼせ)」やイライラ、月経不順、生理痛といった女性特有のお悩みも漢方内科の守備範囲です。ホルモンバランスの変化に伴う精神的な不安定さに対しても、優しく作用する処方を検討いたします。
漢方医学独自の診察方法
漢方内科の診察では、西洋医学的な検査結果に加え、漢方医学独自の「四診(ししん)」という4つの診断手法を組み合わせて、患者さんの体質(証)を判断します。これにより、同じ症状であっても異なる漢方薬が選ばれることがあります。
望診(ぼうしん)
視覚を通して情報を得る診察です。顔色、体型、歩き方、肌のつやなどを観察します。また、舌診(ぜっしん)といって、舌の色や形、表面の苔の様子を観察することで、体内の水分バランスや血流の状態を把握します。
聞診(ぶんしん)
聴覚と嗅覚による診察です。声の大きさや張り、咳の音、呼吸の様子などを確認します。また、話し方から元気の有無(気の充実度)を推測することも重要な情報となります。
問診(もんしん)
患者さんとの対話による診察です。現在の症状だけでなく、食欲、便通、睡眠の質、寒がりか暑がりか、汗の出方などを詳しく伺います。些細な体調の変化が、処方を決める重要なヒントになることが多いため、気になることは何でもお話しください。
切診(せっしん)
直接体に触れて確認する診察です。手首の脈に触れる脈診(みゃくしん)と、お腹を軽く押さえて状態を診る腹診(ふくしん)があります。特にお腹の診察は、漢方医学において非常に重視されており、筋肉の緊張度や冷え、不快感の有無から全身の状態を読み取ります。
「気・血・水」という考え方
漢方では、私たちの体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素によって維持されていると考えられています。これらのバランスが整っていることが健康の条件であり、不足したり滞ったりすると不調が起こりやすくなります。
気(き)・・生命のエネルギー
「気」は目に見えないエネルギーのことで、生命活動の根源です。自律神経の働きとも深く関連しています。これが不足した状態を「気虚(ききょ)」、流れが滞った状態を「気滞(きたい)」と呼び、疲れやすさや気分の落ち込みの原因となります。
血(けつ)・・全身を巡る栄養
「血」は血液とその働きを指し、全身に酸素や栄養を運び、内臓や組織を潤します。不足すると肌のカサつきやめまい(血虚)、流れが悪くなると肩こりやシミ、生理痛(瘀血-おけつ)などの症状として現れやすくなります。
水(すい)・・体内の水分代謝
「水」は血液以外のリンパ液や汗、涙などの水分を指します。免疫機能や体温調節に関わっています。このバランスが崩れて水が溜まった状態を「水滞(すいたい)」と呼び、むくみやめまい、お腹のチャポチャポした音などの原因になります。
漢方内科についてのよくある質問
Q1. 漢方薬に保険は適用されますか?
A1. はい、当院で処方する漢方薬(エキス製剤)の多くは健康保険が適用されます。通常の西洋薬と同様の負担割合で治療を受けていただくことが可能です。
Q2. 漢方薬は長く飲み続けないと効果が出ないのでしょうか?
A2. 症状によって異なります。風邪の引き始めや急な腹痛、足のつり(芍薬甘草湯など)に対しては、数分から数時間で即効性が期待できるものもあります。一方で、慢性的な体質改善を目指す場合は、数週間から数ヶ月単位でじっくり取り組む必要があります。
Q3. 西洋薬を飲んでいますが、漢方薬も一緒に飲めますか?
A3. 多くの場合は併用が可能ですが、成分の重複や相互作用を考慮する必要があります。お薬手帳をお持ちいただき、現在服用中のお薬について必ずお知らせください。西洋医学と東洋医学の双方の利点を活かした治療を提案いたします。
Q4. 漢方薬にも副作用はありますか?
A4. 「天然成分だから副作用がない」わけではありません。体質に合わない場合に発疹や胃部不快感が現れたり、稀に重篤な副作用(肝機能障害や間質性肺炎など)が生じたりする可能性もあります。異常を感じた場合は、すぐに服用を中止して医師にご相談ください。
